旅行屋が語るポルトガルの基礎情報、魅力と旅行日程の作り方

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今回は現在住んでいるタイのプーケットから離れてポルトガル旅行についてお話ししてみたいと思います。実際に2018年6月にポルトガルへ行ったので、リアルタイムの魅力がお伝えできると思います。

この記事が旅行先に悩んでいる人、実際にポルトガルへ行こうという人に役に立つと嬉しいです。

旅行屋って?

昔から旅行好きであっちこっち。

海外専門旅行会社に就職して海外ツアーの企画、営業、添乗をしてきました。
これまで訪れた国は50カ国以上、住んだ国は日本以外で4カ国です。

今でも旅行企画の依頼を受けて旅行日程の提案をしています。

勝手に自称しているだけですが、一応旅行を糧に生きています。
名乗っても…いいですか…?

 

ポルトガルの旅行基本情報

ポルトガルへの行き方

残念ながら現在日本とポルトガル結ぶ直行便はありません。余談ですが、タイのプーケットからもありません。必ずどこかで経由しなければなりません。 

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航空機の運賃は予約時期による変動が大きいので、どの路線を使うといいかは断言できません。参考までに8月末のスケジュールを調べたところ、エミレーツ航空のドバイ経由ブリティッシュエアウェイズのロンドン経由ルフトハンザ航空のフランクフルト経由が安いようです。

 

値段も重要ですが、どの航空会社を使ってマイルを貯めるかということも重要ですね。ワンワールド系列スターアライアンス系列などご自身が溜めているマイレージプログラムのメンバーで飛ぶと一気にマイルがたまります。

 

ちなみに私はいつもKAYAKというサイトで航空券を調べます。目的地と日付を入れるだけで、世界中の航空会社の料金を調べることができます。追加設定で、目的地を複数入れることができるのも便利!よかったらご利用ください。

>>Cheap Flights & Airline Tickets | KAYAK

 

ポルトガルの言葉

ポルトガルの第一言語はもちろんポルトガル語です。もしスペイン語やイタリア語、フランス語を学生時代に習っていた人は言葉がとても似ていることに驚くと思います。

しかし、ポルトガル語ができなくても旅行には困りません。ポルトガルでは基本的に英語が通じます。旅行した実感で言いますと、スペインやイタリア、フランスより英語が通じる場所が多いような気がします。

ガイドブックにも載っていない隠れた村々を訪れるような大冒険をしない限り、英語で通用します。

でも、簡単な挨拶やお礼はポルトガル語で言えるようにしましょう。日本を訪れる観光客に道を聞かれて、助けてあげたところ『アリガトウ』なんて言われたら嬉しく感じます。それと同じで、ポルトガル語でお礼を言うと現地の人はとっても喜んでくれますよ。

 

ボンディーア:こんにちは

オブリガード:ありがとう(男性の言葉)

オブリガーダ:ありがとう(女性の言葉)

ポルファヴォール:お願いします

コラム:ヨーロッパ旅行中の挨拶

ヨーロッパ旅行において挨拶はとても重要です。
いついかなる時でも挨拶から会話を始めましょう。
売店で商品を買う時、レストランに入った時、駅やバス停で乗車券を買う時。
日本では挨拶しないケースであってもヨーロッパでは必ず挨拶から入ります。
それをしないと『なんだこいつ?』と言う顔をされることも。
相手の感じ悪い対応は実はこちらが挨拶をしなかったからということもあります。

ポルトガルの治安

最近西ヨーロッパでは色々な事件が発生していて、治安の悪化を心配する人もいるかもしれません。そんな中でポルトガルは最も治安がいい国と言ってもいいです。近くのスペインやフランスではテロが発生していますが、ポルトガルではテロは起こっていません。

様々な要因がありますが、一つは国の経済規模が小さいため、昨今話題に上がっているシリア系移民をあまり受け入れていないからです。

実際にフランスへ行くと5年前とは住んでいる人の層が明らかに感じます。しかし、ポルトガルはあまり影響を受けているようには見受けられませんでした。

じゃあ、日本ほど治安がいいのかというとそこまでではありません。

ジプシーやアフリカ人によるスリの被害を聞くことがあります。特に人が多い首都リスボンでは、スリなどの盗難に注意してください。

海外旅行をするときに必要な注意を必要なだけしておけばトラブルにあったり、盗難にあったりすることはありません。

コラム:海外旅行における必要な注意

・お財布を尻ポケットに入れない。
・スマホを見ながら歩かない。
・バックは必ず閉める荷物を置いて席を離れない。
・怪しそうな人からは距離を置く。
・怪しいエリアからはすぐに離れる。
これだけ守っていれば、トラブルに合うことはありません。 

ポルトガルの物価

ポルトガルの物価はEU諸国に比べて安いと耳にしたことがあるかもしれません。それを受けてホテルを見ると『あれ?そんなに安くない?』と思います。

しかしポルトガルの物価に驚くのは実際の旅行中。

ペットボトルの水…30円

カフェバーでの生ビール…120円

レストランのワインのボトル…800円くらいから

 ホテル代はちょっと安い程度ですが、現地での滞在費は大きく変わります。滞在期間が長ければ長いほど、その差を感じると思います。

個人的にこの辺りの物価感はこんな感じ。

 

*総合的な物価間の差。個人の感想です。

スイス>イギリス>フランス=ドイツ>イタリア>スペイン>>ポルトガル

 

ポルトガルの歴史

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ポルトガルの歴史はとても面白いので本などを読んでいただきたいので、ここでは簡単に旅行をする上で知っておくとより楽しく旅行できる豆知識を紹介します。

  • ローマ帝国のあと、イスラム教徒に支配されていたこと。
  • そのあとレコンキスタで北から南まで再征服したこと。
  • 大航海時代を迎えて大発展したこと
  • そこから没落していき、いまに至るということ。

ポルトガルを観光していると各地でレコンキスタの歴史的遺産や大航海時代に繁栄した姿などを見ることができます。そして栄枯盛衰。

あるポルトガル人が『大航海時代からずっと経済が苦しいのがポルトガル』と言ってました。その影響でポルトガルは哀愁や望郷のイメージが強いです。

決してそんな哀愁漂う悲しい国ではないのですが、かつての栄光を重んじすぎるとそういうイメージが定着してしまうのかも。

 

ポルトガルの食事

ポルトガルというと魚介が有名ですね。

バカリャウと呼ばれる鱈の塩漬け。

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サルデーニャと呼ばれるイワシ。

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ポルヴォと呼ばれる蛸。

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他にも貝類も美味しく、牡蠣やハマグリ、アサリも美味しかったです。また肉類も様々。生ハムもステーキもトリパスと呼ばれるモツ料理もどれも大満足。

そして、お酒好きにはたまらないのが各ワインとポルトやマデイラといった酒精強化ワインがいっぱいあって安い!

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ワインの中でもヴェルデと飛ばれる弱炭酸ワインはシャンパンより飲みやすく美味しいのに、お値段は1本10ユーロ(1200円)以下!

もちろんお店にもよりますが、大体どんな高級店でも1本10ユーロ(1200円)くらいからワインリストに乗っています。上を見上げればきりはないですが、平均的に10ユーロから15ユーロくらいでボトルを頼むことができます。

 

ポルトガル人の性格

今回の旅行で私が最もポルトガルが気に入った理由はポルトガル人の性格です。

親しみやすく、親切。そして丁寧で感じがいいです。

 

ヨーロッパ各国訪れましたが、ポルトガルの人が最も人がいいと感じました。

何人が感じがいいとはあまり言いたくありません。例えばフランスではパリ人はフランス人ではないと言われます。だからパリ人だけみてフランス人は判断できません。スペインでも北部の人と南部の人では全く性格が違います。

イタリアはずいぶん長い間、都市国家でしたのでそれぞれイタリア人というよりはナポリ人であり、ヴェネツィア人でありますので、イタリア人がどういう人だとは言えません。

だから、一度や二度くらい感じが悪い人とあっても、まぁそういう人なんだなと思うようにしています。

しかし、今回のポルトガル旅行ではどこへ行っても嫌な思いをすることはありませんでした。

先ほども書きましたが、ポルトガル語でしっかりと挨拶をすれば笑みを見せてくれ、ちょっとした会話が生まれます。

それも一度や二度ではありません。

よほど忙しそうなスーパーのレジの人を除いて、大体ちょっとした会話が生まれました。そして、レストランの店員さんもメニューに合うワインのオススメを聞くとそれはもう一生懸命に考えて、説明をしてくれます。

その結果オススメしてくれるのが、メニューの中でも安いワインだったりして、本当に食事と合うワインを考えてくれるんだなぁという感じを受けました。

ヨーロッパの大都市にいると個人というより旅行者Aとして扱われるように感じますが、ポルトガルではそのように感じることはありませんでした。

これもまたポルトガルの大きな魅力の一つだと思いました。

 

ポルトガルの魅力 

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私はポルトガルが哀愁漂う国だとは思っていません。

確かにパリやバルセロナ、ミラノのようなド派手な華やかさはありませんが、歴史から醸し出される落ち着いた雰囲気に親しみやすく親切な人たちが住んでいる素敵な国です。

そして、そんな素敵な国であるポルトガルもどこを中心に見るのかでその魅力は変わってくると思います。

リスボンを中心としたポルトガル南部のモダンと歴史が折り重なっている場所が好きなのか

コインブラやオビドス、ナザレを中心としたポルトガルの中部の趣と情緒ある小さな街や村々に惹かれるのか

 ・ポルトを中心としたポルトガル北部のレコンキスタから連なる歴史ある都市部を魅力と感じるのか

そのそれぞれが素晴らしいポルトガルの魅力です。個人的にはナザレに惚れ込んだので、来年にでもまた訪れたいと考えています。

ポルトガルの旅行日程の組み方

こんなポルトガルですが、どう旅行をするとその魅力を感じることができるでしょうか。

ポルトガルをおおよそ周遊するためにはリスボン〜ポルトを観光したいところ。もちろんそれ以外にも魅力的なところがいっぱいあるのは知っていますが、日数の縛りがある以上、リスボン〜ポルトがメイン観光になります。

じゃあ、リスボンからポルトへ行くのか。ポルトからリスボンへ行くのか。それが重要です。

私が旅行日程を考えるときに最も重要だと思っているのはストーリー性です。

映画や小説のように旅行にも物語が必要です。

旅行が始まって、中盤の盛り上がりがあり、そしてクライマックスで旅行は完結しなければなりません。

だから旅行で最も盛り上がるは旅行日程の最後にすべきだと私は考えています。

なので、今回の旅行はリスボンがクライマックスで考えました。

もう一つリスボンを最後にした理由があります。

行きと帰り、どっちの方が疲れているかと考えたとき間違いなく、帰りの方が疲れています。

ポルト発着の航空機は多くありません。その上で乗り継ぎ便を考えた場合、一般的にはこういう形になります。

1)リスボンからポルトへの旅行パターン

日本〜乗り継ぎ地〜リスボン

陸路観光でリスボン〜ポルト

ポルト〜リスボン〜乗り継ぎ地〜日本

 

2)ポルトからリスボンの旅行パターン

日本〜乗り継ぎ地〜リスボン〜ポルト

陸路観光でポルト〜リスボン

リスボン〜乗り継ぎ地〜日本

 

帰国の日程だけ見ると

1)ポルト〜リスボン〜乗り継ぎ地〜日本

2)リスボン〜乗り継ぎ地〜日本

と2)の方が体力的に楽になります。

ということから今回の旅行はポルトから観光を始め、リスボンで旅行を終わるという形にしました。それを受けて、旅行全体の日程は下記のように作成。

 

1日目 夜リスボンからポルトへ移動。

夜到着。そのままホテルでお休み。

(ポルト泊) 

2日目 ポルト

終日ポルト観光。それほど大きな町ではないので、主要な観光地をこの日に観光。翌日にも余裕があるので、無理はしすぎない。

(ポルト泊)

3日目 ポルト

時間に余裕があるので、のんびり。またポルト醸造所の見学をして、お酒を飲んだり。

(ポルト泊)

4日目 ポルト〜コインブラ〜ナザレ

朝ポルトを出発。鉄道でコインブラへ移動。コインブラの旧大学の観光後、バスでナザレへ移動。ナザレの散策をして、ナザレ泊。

(ナザレ泊)

5日目 ナザレ〜オビドス〜リスボン

昼過ぎまでナザレ滞在。バスにでオビドス(カルダス・ダ・ライーニャからタクシー)観光。そして、オビドスからバスでリスボンへ移動。

リスボンのホテルにチェックインして、リスボン散策。

(リスボン泊)

6日目 リスボン郊外

シントラやカスカイスの観光後、リスボン市内へ戻りリスボン観光。

(リスボン泊)

7日目 リスボン観光

終日リスボン観光 

(リスボン泊)

8日目 リスボンから帰国

朝空港へ。帰国の途へ。

 

日程としてはポルト3泊、ナザレ1泊、リスボン3泊という形です。

ポルトの最初の1泊とリスボンの最後の1泊は実質日程の調整なので到着時刻に合わせて、調整するといいと思います。ワインが好きな方はポルトで2日目をドウロ川クルーズにしてもいいですね。

もし日程に1日2日プラスする余裕があるのであれば、ポルト郊外ギマランイスを入れるかナザレの滞在を増やすか、リスボン郊外のエヴォラを増やすことができます。

リスボンやポルトのような大都市であっても頑張れば徒歩圏内。町歩きを楽しむにもちょうどいいサイズ感です。

ただ一つ注意があります。ポルトガルの街々はどこも丘陵に建てられているので、坂道の登り下りが非常に非常に非常に多いです。運動不足だとちょっと大変になることも。あまりガツガツ観光するより、街をゆっくりと散策しながら観光するくらいがいいですね。

さいごに

今回の記事を通して、私が感じたポルトガルの魅力が伝わり、ご旅行の役に経てれば幸いです。 

次回からはポルトガル旅行における各町の観光の仕方やおすすめレストランやホテルを紹介して行きたいと思います。

こちらもまた参考になれば幸いです。