グッドデザイン賞受賞 オーサグラフ地図ってなんだ。
2016年グッドデザイン賞、グッドデザイン大賞に選ばれたのは慶應義塾大学政策・メディア研究科の鴨川肇准教授の手による『オーサグラフ地図』
実物はこちら。
そもそもグッドデザイン賞って?
公益社団法人日本デザイン振興会が主催する総合的デザイン評価と推奨の仕組みです。
総合的デザインというのは一般的にイメージされる広告デザインだけではありません。かつては子供向けテレビ番組も受賞しました。
今回の地図の受賞理由を見ていただくと総合デザインのイメージが掴みやすいかも。
「今まではメルカトル図法にとらわれていた。オーサグラフにより新しい世界の捉え方ができるようになる」
「地図は価値観の根底を作るもの。今の時代の価値観にこれまで使っていた地図があっていないことに気づき、新しい地図を作るという発想そのものがデザインだと思った」
メルカトル図法とは
オーサグラフ地図を理解するためには、一般的なメルカトル図法について知りましょう。
誰もが知ってる世界地図。
こいつをメルカトル地図(メルカトル図法)と呼びます。
この地図は球体である地球をわかりやすく平面図にしたものです。
それに伴って大問題が。
この地図球体に戻せますか?
そう、戻せないんです。
サッカーボールでもテニスボールでもいいんですけど、球体を平面にしようとした時に、こんな綺麗にならないですよね?
切れ目いっぱい入れなきゃいけません。
じゃあ、なんでこの地図は綺麗に平面になっているかというと、北と南に行けば行くほど、縮尺を伸ばしているからなんです。
言葉でうまく説明できないのでわかりやすい図はこちら。
この赤丸が地球上では同じ大きさになります。
他にもわかりやすく説明しているサイトがあります。
例えば、このサイト
地図上で国を動かすことができます。
小さい小さいと思っていた日本だって、緯度をヨーロッパまで持ってくると拡大してこんなサイズになります。
沖縄がモロッコに北端がデンマークを超えてスウェーデンまで。
これまではこれ以上にわかりやすい地図がなかったので、変だなぁと思いながらも使い続けてきましたが、それを覆したのがオーサグラフ地図なんです。
オーサグラフ地図とは
オーサグラフの由来はAuthalic(面積が等しい)+graph(図)という言葉から作られた造語です。
その名前通りオーサグラフ地図は陸地の面積比を正しく平面に写した地図。
細かい理屈は本人にお任せしましょう。
2014年のTEDでお話しされていた内容の全文まとめがこちら。
より簡単に動画でまとめたのがこちらです。
これまで400年以上使われてきたメルカトル図法の地図も、そろそろ時代遅れ。
あと数年したら世界中の小学校にはこの地図が貼られるようになるかもしれませんね。
旅行好きな私としては、これは壁に貼っておきたいですね。