アルバニアへ行こう! バルカン半島の不思議な国アルバニア
アドリア海にあるこの国は、オスマントルコやユーゴスラヴィアに囲まれ数奇に満ちた歴史を辿ってきました。
アドリア海といえば紅の豚のイメージですがアルバニアはヨーロッパで唯一のイスラム協力機構のメンバー国。なんか不思議な国ですね。
今回はそんなアルバニアの国情報や観光情報をご紹介します。
アルバニア
国情報
アルバニアの位置
アドリア海を挟んでイタリアのかかとの向かい、そしてギリシャに隣接しています。
歴史好きな人にはヨーロッパの火薬庫バルカン半島にあるといえばすぐにお分かりかもしれません。
バルカン半島
アルバニアの面積と人口
アルバニアの面積は28,748㎢。日本の約7%くらいの敷地面積です。
人口は300万人。日本でいえば茨城県と同じくらいの人口です。
茨城県の大きさが6,100㎢ですから茨城県の5倍の大きさに同じくらいの人が住んでいる計算になりますね。
アルバニアの宗教
約70%がイスラム教を信じており、約30%がキリスト教信者です。
(うち20%がオーソドックス、10%がカトリックです)
アルバニアの歴史
アルバニアはバルカン半島の中でも比較的穏やかな歴史を持っています。
(とはいえ、なかなか大変そうですが)
もともと、コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)を中心とした東ローマ帝国の傘下にありましたが、東ローマ帝国の解体とともに様々な侵略を受けますが、最終的にオスマントルコ帝国に支配されます。その結果、イスラム教国家になりました。
その後、オスマントルコ帝国の衰退と共に独立。世界的な社会主義の流れに乗り、社会主義国家になりますが、中国よりの立ち位置を取り同じ社会主義国家であるソ連やお隣ユーゴ・スラヴィアと激しく敵対しました。
その後、中国からの支援が打ち切られると経済が破綻。
『欧州の最貧国』と呼ばれるようになり、反政府活動が激化。そして、社会主義政府が打ち倒され共和国に生まれ変わりました。
社会主義時代は鎖国をしていたため、観光地としてそれほど知名度はありませんが、まだ知られざる魅力的な観光地が数多く残されています。
アルバニアのビザ情報
観光目的の入国は90日間までビザの申請の必要はありません。
それ以上滞在する人は、内務省へ届出を出す必要があります。
アルバニアへの行き方
日本の成田空港からアルバニアの首都ティラナまでは
アリタリア航空でローマ乗り継ぎ
もしくは
トルコ航空でイスタンブール乗り継ぎ
で行くことができます。
アルバニアの治安
周辺国(セルビアなどの旧ユーゴスラビア)のように宗教的な対立がないので、比較的安全な国です。しかし、財政がそれほどいいわけではありませんので、身の回りのものには十分注意し、変なところに行かないよう気をつけてください。
外務省の渡航情報によると極一部にレベル1(十分注意してください)の警告が出ているだけです。
アルバニアの観光地3選
サランダ
アルバニアの南端。ギリシャのすぐそばにあるこの街はヨーロッパのハネムーナーが集まるリゾート地として有名です。街の主要産業が観光なだけあって、非常に治安も良く風光明媚なアドリア海のリゾート地として発展してきました。
そして、次に紹介する世界遺産プトリントも近くにあるので、アルバニアを訪れるならマストな場所です。
世界遺産ブトリント
古代ローマの詩人『ヴェルギリウス』による叙事詩『アエネイス』に登場するブトリント。トロイアの王プリアモスの息子ヘレノスが建設しトロイアの陥落後にこの街に逃げてきたとされています。
これはあくまでも伝説ですが、調査によると少なくとも紀元前8世紀には日が住んでいたことがわかっているそうです。
そして、ローマ帝国のギリシャ侵略の拠点として発展を遂げました。
しかし、ローマ帝国の衰退とともにブトリントは見捨てられ、人々の記憶からは消え去り、近年まで手付かずの状態で残されていました。その結果、非常に貴重なローマ遺跡として世界遺産に認定されました。
ジロカストラ
ブトリントはローマ遺跡であり、後年キリスト教が伝播した際には様々なキリスト教関係の建物(教会や洗礼堂)が建てられた遺跡です。
一方でこのジロカストラはオスマントルコ時代の遺跡をもとにした街で『博物館都市』とも呼ばれています。
ジロカストラとブトリントはだいたい車で2時間のところに位置しています。
こんなに近い範囲にローマ遺跡とオスマントルコ帝国の遺跡が混在するのは珍しいです。
一粒で2度美味しい。アルバニアはそんな国なんです。
アルバニアのお祭り
アルバニアには様々なお祭りがありますが、その中でも規模が大きいのがサマーデイフェスティバル。
サマーという名前ですが、お祭り自体は3月14日に行われます。
それは冬の終わりを祝いお祭りだからです。
簡単にいえば『冬が終わったよ、これから来る夏を祝いましょう』ということですね。
民族衣装を着てパレードをしたり、夜になると若者たちが踊り騒いだり、今では季節の移り変わりを祝うお祭りというかイベントという感じですね。
ガイドブック・書籍
より深くアルバニアを知るために
リンク
アルバニア観光局オフィシャルページ(英語)
Visit Albania | The Official website of Albanian Tourism
キュレーションサイト Tabippoのアルバニア紹介
ヨーロッパの最貧国と言われ、だけど美しいアルバニアの秘密 | TABIPPO
さいごに
一般的に西洋と東洋の中間点というとトルコが挙げられますね。
しかし、トルコは完全に中東アジアであり、本質的にはもう東洋。
本当の意味で西洋と東洋の狭間はバルカン半島なんだと私は思っています。
まだまだ知名度の低い・訪れる機会が少ないバルカン諸国ですが積極的に発信していきたいと思います。