海外移住のススメ 目的をしっかり決めて移住先をみつけよう。
海外移住という言葉に魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。
実際、海外移住をする人は年々増えています。
海外移住者の動向
すこし前のデータですが、2012年外務省による海外在留邦人数調査統計です。
インターネットの進歩と個人で情報発信が可能になったから可視化されたというのも海外移住数が増えた体感を感じる要因の一つだとは思います。
その一方で夢破れて帰国する人も・・・・・・。
さて、昨今テレビ番組などで華々しく取り上げられることの多い海外移住ですが、望んでいた生活を実現できず日本へ帰国する人も多くいます。ただし、海外移住の失敗談が表にでてくることはあまりありません。
それはなぜでしょうか。
数多ある更新されなくなった海外在住ブログを掘り下げて見てみましょう。
かつて海外生活をしていた人たちのブログを見てみるとある時から更新がなくなります。彼等のほとんどは帰国しているでしょう。
きっと忙しくなったか面倒になったから更新しなくなっただけなんじゃないかと思われるかもしれませんが私は違うと思います。
なぜなら結構続いたブログはコミュニケーションの場でもあります。記事の内容によりますが、海外の特定の地でブログを更新していると読者の多くは同じ土地・国に住んでいる人です。そういった人たちを放置して、同じ場所で生活を続けるというのは考えにくいです。
海外生活ブログランキングにあるようなブログのほとんどは内輪ネタ化している傾向があります。そんな彼らが更新をやめてしまうということは現地での日本人コミュニティにおける立場・立ち位置を捨ててしまうことになります。
なので、住み続けている以上は、全く更新しなくなるというのは考えられません。
※もちろん、海外在住者の視点から日本の読者に向けた長期にわたるブログもあります。
さて、話を戻して更新しなくなったブログについて。
なぜ彼等はブログで帰国したことを伝えないのか。失敗談を公開しないのか。
それは、彼ら海外移住者にとって帰国とは恥ずかしい失敗だからであると思います。
これは私の体験からでも言えることなのですが『企業の駐在員としてではなく自らの希望で海外移住する』と周りに言うと羨ましがられます。(その内実がどうあれ)
その彼らの言動が嘘か本当か、どの程度社交辞令なのか本気で言っているのかはわかりません。ただ海外移住するというと『羨ましいね』と言われるのは事実です。
いずれにせよ、そう言われた本人は周りからの期待や羨望を背負って(もしくはそういう勘違いして)海外へ移住していきます。
そんな気持ちを持って出て行ったにも限らず日本に帰らざるを得なくなると、周囲の期待を裏切ってしまった。期待に応えることができなかったと恥じ入り、失敗談を公開しないのではないかと私は思っています。
今回の記事の本題は失敗談が出てこない理由ではないので、この話題はここで終了。
とにかく、失敗して帰国する人も実はいっぱいいるんですよというのが言いたかったことです。
移住する目的をしっかりともつことの重要性
ひとことで海外に移住すると言っても、その目的は様々。そして、話を聞いているとその目的でなぜこの国にしたのかなと思うこともあります。
考えられる移住目的をクリアにすることで移住する国をちゃんと選ぶことができます。
逆にそれがしっかり見定められていないと不幸な海外移住になってしまいます。
想定される海外移住の目的
憧れの土地、好きな国で暮らしたい。
これまで旅行と訪れた国や地域で特に気に入った場所に住みたい。ごく普通の欲求だと思います。
誰しもそういう思いを抱いたことがあるんじゃないでしょうか。
ただそこに住みたいという憧れがあまりに強く実際の生活を想定していないと、住んでみたときに理想としていた生活と現実とのギャップで悩むことが往々にして見られます。
その代表例がパリ症候群と呼ばれます。
「流行の発信地」などといったイメージに憧れてパリで暮らし始めた外国人が、現地の習慣や文化などにうまく適応できずに精神的なバランスを崩し、鬱病に近い症状を訴える状態を指す精神医学用語である。
引用元:wilipedia パリ症候群
かつて私もパリに住んでいたことがあるのですが、足が地に付いておらず『私パリに住んでいるんでザンス』と言いたいだけなんじゃないかと思うような人もいました。
他にも中年を越えているのに芸術家として花開かずで日々美術館のツアーガイドのアルバイトで生計を立てている。なんていう人もいました。
夢を追いかけづつけることは素晴らしいことですが、なぜそれが海外である必要があるのか。もし体調を崩し、病院へ行かなくならざるを得なくなったときどうするんでしょうか。高額な医療費を払うことが出来ればいいのですが。
引用元:スラムダンク8巻
永住権を持っていない限り、どの国も貧困外国人に対しては冷たいのが事実です。
その点を十分理解してほしいですね。
とあるビジネスをとある国で展開していきたい
最近は起業家も増え、こういうケースも多くなっていると思います。
ビジネスモデルを考え、それがヒットしそうな国を選ぶ。
もしくはある国のリサーチをして、その国で成功しそうなビジネスモデルを考える。
そういう目的を持っている人は移住に対し、目的意識があるのでうまくいくケースも多いと思います。
ただし、ネックとしてビジネスの収益が出続けていないと生活していくのが難しいという点が挙げられます。そのため、事前のリサーチやビジネスモデルの構築がよほどしっかりしていないとジリ貧。貯金を食いつぶして終わりという末路を遂げることになります。
たまに海外での起業について、問い合わせをいただくことがあります。
あまりの無勉強さに驚くことが多くありました。そもそも来たことがないのにそのビジネスが成功するとなぜ考えることができるのでしょうか。
何したら成功しますか?そんなもん私が知りたいわ!
イメージと逆かもしれませんが、若い人の方がしっかりと物事を考えているケースが多い気がします。ある程度の年の人はなぜか上から目線。日本に比べたら発展途上国なんて簡単でしょ。楽勝楽勝。という根拠のない自信に満ち溢れている人もいます。
そういう人は大抵うまく行かず、国や国民性に文句を言って去っていきます。
日本とは違ったワークライフバランスを求める人
日本の会社生活に嫌気がさし、海外への移住を考える人たち。
現地法人や日本法人で現地採用される人はこういう人たちですね。
一生懸命働かず、そこそこのお給料で生きていく。といううまくハマれば最も海外生活に適応できる形です。
その為には、国の経済状況や外国人の雇用条件などをちゃんと調べていくといいと思います。例えばスペインはシエスタがあって、楽な生活!と思われるかもしれませんが現在の失業率は恐ろしいことになっています。よほど特殊なスキルがない限り、外国人として楽な仕事を見つけるのは簡単ではありません。
さらに現地採用という強みを出すためにある程度の語学力は必要です。
日本語しか話せない人を現地採用するのはコストの無駄です。せめて英語は会話でき、もし英語圏ではないのであればその国の言語も多少話せるようなレベルであることを求められます。
もちろん内勤や職種によってはその必要はないかもしれませんが、そういう仕事は大人気。激しい日本人同士の競争に打ち勝てる能力が必要です。
また、もうひとつ乗り越えなくてはならないのは、劣等感。
特に日系企業の現地採用の場合、本社から派遣されて来ている人たちとは全く異なった給料体系であり、福利厚生の条件も全く違います。
本社から来ている人の場合、多くの国では運転手やドライバーがつき、高額なコンドミニアムや邸宅に住みます。さらに子供への教育費補助もあるでしょう。
そういう人たちと日々ともに過ごしていると、そこに不公平感を感じることもあります。そういうことを気にせず、『人は人、自分は自分』と割り切れる人でないと大変だと思います。
それぞれの希望別においての予想しておくべき問題点
憧れの土地、好きな国で暮らしたい。
憧れをもう少し煮詰めて、日々の生活も想定しておきましょう。
具体的にどんな生活に憧れていて、その為にはどうすればいいのか。
生計を立てる道は決まっていますか?現地に着いてから就職活動しようという人は、どういう職業があるのか調べておきましょう。
とあるビジネスをとある国で展開していきたい
あなたのビジネスモデルは本当にその国で通用しますか?多くの国では外資規制といって外国人の参入を禁止している産業があります。そういった問題はリサーチ済みですか?できれば信頼できる現地パートナーや相談できる現地の人を見つけましょう。
当たり前の話ですが、軌道に乗るまで生活するための貯蓄は必要です。
日本とは違ったワークライフバランスを求める人
よくその国のリサーチをしましょう。本当に望んだワークライフバランスを得ることができますか?実際に働いてみたら、予想以上にハードワークを求められるかもしれません。そして、人と比べるのを辞められますか?しっかりと割り切りを考えましょう。
最後に
随分と危機感を煽る言い方をしてしまいましたが、全ては後悔なく楽しい海外移住をしてほしいからです。
せっかく勇気を持って、海外に移住したのに、日本へ帰っていく人を見るのは悲しいものです。幅が広いですが、同じ海外移住仲間として、一緒に頑張っていきたいと思います。
もし何か質問があればtwitterからでも連絡ください。できる限り回答しますよ。