これからの旅行会社の存在意義

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てるみくらぶの記事が大変なことに…。

1日500PVも行かない弱小ブログで、個人的に考えたことを書いただけなのに、結果多くの方に届いたようで嬉し恥ずかしです。 

 

そんな中、ツイッターやブコメで『旅行会社は終わりだ』というようなコメントを散見しました。今回はそのことについてお話ししてみたいと思います。

 

旅行会社はもういらないのか?

私の考えた結論から言いますと、決してそんなことはないと思います。

前回の記事の主眼は、パッケージツアーというものに無理があるというお話でした。

最近帰国していないからわかりませんが、数年前は中国人が銀座に大型バスでドーンと来てましたね。

かつて日本の旅行会社も同じことをしていました。パリのルイ・ヴィトンへ入店する際、日本人だけ別の列があった時期があります。バチカンの『最後の晩餐』は国籍によって入場制限がかかっていました。(今はわかりませんが)

趣味嗜好も消費行動も多様化した今、昔と同じやり方ではもうできなくなってきているんだと思います。その要因の一つに休暇の捉え方があるんじゃないか。というのが前回の記事です。

  • 一個人の考えです。一概にそうは言えないんじゃないか!という意見もあると思いますが、ご容赦いただければ幸いです

じゃあ、これからの旅行会社の存在意義は?

旅行会社、そしてその社員というのは旅行のプロです。

 

私が働いていた旅行会社でも恐ろしい専門家がたくさんいました。

フランスの小さな美しい村のことなら、この人に任せろ!

世界中の奇祭に実際に参加している人はこの人だ!

中東の大金持ちと仲良しで、その大金持ちのラクダ牧場に行けるのはあの人だけだ!

そんな人がいっぱいいました。ガイドブックに載っていない情報をたくさん持っている、その国や地域の専門家です。

 

話は逸れますが、プロってそういうものなんだと思います。

例えば、ウェブ関係の勉強する本って世の中にたくさんあります。それを読んで、勉強すればプロのプログラマーになれるかっていうとそんな簡単なものではありません。

巷に溢れている情報をなぞるだけではプロではないと思うのです。

 

そんなプロフェッショナルな知識、情報などを持っている旅行会社・社員は良い旅をするために必ず必要になると思います。

 

これから変わっていく旅行会社の姿

一括仕入れで安く仕入れて、格安ツアーを販売する』

てるみくらぶの様な旅行会社は決してなくならないと思います。

1円でも安く、送迎付きで気軽に旅行へ行きたいというニーズは絶対あるからです。

ただ一定のパイの奪い合いですから、どんどん先鋭化してしまい、今回の様な自転車操業の破綻という結果になってしまいました。

でもこれってもう止まりません。一度格安を売りにしてしまった会社が方向転換するのは簡単なことではありません。

このままでいい訳はないと経営者が思っていても、今いる社員を切ってまで、成功するかどうかもわからない方向へ舵を取ることができるか。

池井戸潤の『陸王』を思い出しますね。 

この小説の様に、思い切った方向転換が成功に結びつけばいいですが、世の中そんな簡単なものではありません。

多くの人間が舵を切るタイミングを見計らいながら、体力がなくなっていった会社から潰れて行き、最終的に価格競争を生き抜いた2、3社だけが残るんだろうなと思います。

 

その一方、『お金はかかってもいいから、その分安心で充実した旅をしたい』というお客様も増えていくと思います。

大型バスに乗せられ一括移動はもう嫌だ。お土産屋に強制的に連れて行かれるのはこりごりだ。でも旅行で初めていくところだから、専門家のアドバイスが欲しい。というお客様です。

専門的な旅行アドバイザー、コンサルタントというべきものでしょうね。

こちらの競争は価格競争ではなく、どれだけ専門知識があるのか、そして一人一人のお客様を理解し、どれだけ満足していただけるのかという競争になっていくと思います。

『あそこは高かったけど、最高の旅行ができたよ』という言葉を得る競争ですね。

 

さいごに

これからの旅行会社は2極化が進むと思います。

  • 格安、手軽さ重視旅行
  • 高級、満足度重視旅行

ただ、格安、手軽さ重視って専門性いりません。旅行会社である必要はなく、IT会社とかAIとかの分野になっていくと思います。(すでになりつつありますよね)

なので、専門性が高い旅行会社はどうやって高級、満足度重視にシフトしていくか・それを打ち出していくのか。という点が今後の課題になっていくと思います。

個人的に思うのは、多くの旅行会社に得難い・特殊な経験をいっぱいしてる人材が多くいるのに、情報発信が下手だな。表に出てこないな。と思ったりもします。

アナログな人が多い世界なので、そこらへんを変えていくのも課題なのかな。

 

今は外野なので好き勝手に話してしまいました。ご容赦いただければ幸いです。